たべちょう

本と食べ物とフェチ

カワイイモンスターカフェに行ってきた

 

原宿にKAWAII MONSTER CAFE」というクレイジーなお店ができたらしく、8/1のオープンから2週間ほどの時期に行ってみることになりました。きゃりーぱみゅぱみゅをプロデュースした増田セバスチャンがプロデュースしたカラフルでクレイジーな街(HPに載ってました)、すべてを飲み込んで膨れ上がるモンスターのようなTOKYO・HARAJUKUをビジュアル化したカフェレストラン(これもHPに載ってました)、しかもメニューに七色のパスタがありそしてやっぱりダイヤモンドダイニング(アリスカフェとかドラキュラカフェとか都内にあるコンセプト系の飲食店はだいたいここ)系列という前情報だけでも「これは相当キてるな」という感じがうかがえます(画像は公式HP)。

kawaiimonster.jp

お店はラフォーレ原宿の向かいにあるYMスクエアの4階に入っています。ツイッターなどの情報では結構並ぶかもとのことでしたが、お盆なので(たぶん)当日は並ばずにすんなり入れました。店内はテーマパークのように大きく4つのゾーンに区切られていて、それぞれ「MUSHROOM DISCO」「MILK STAND」「Bar Experiment」「Mel-Tea ROOM」とあります。どのゾーンで食事をするかは店の入り口にあるパネルで選択しますが、そのパネルが明らかにラブホテルです。同行者の人に「尊厳ちゃん選んでいいよ」と言われたので、一番クレイジーな感じのする「MILK STAND」を選ばせてもらいました。ちなみにこのゾーンはHPにも「巨大なウサギ、ヒツジ、ユニコーンの頭と大量の哺乳瓶。動物たちがミルクを飲むクレイジーなベビールーム。」と説明書きがあるので、クレイジーさにかけては自信があるようです。

店内に入ったところでは巨大なケーキ型のメリーゴーランドが回っています。暴力的なカラフルさと光沢を放っており、アドレナリンがたくさん出ている系のテーマパークにありそうな感じです。

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クレイジーさにかけては折り紙つきの「MILK STAND」の様子ですが、天井からは大量の哺乳瓶がぶら下がり、カラフルな(しかもでかい)ウサギやらヒツジやらユニコーンやらの頭もぶら下がり、哺乳瓶から伸びたチューブからちうちうとミルクを吸っています。赤ちゃんとは無垢さゆえにしばしば狂気を感じさせるものですが、これはクレイジーなベビールームというしかないでしょう。

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そして気になるメニューですが、基本的にはどれもみな暴力的な見た目をしています。ピンク色のどろどろパンケーキ、チョコレート味のチキンソテー、七色のパスタ、七色のケーキ、七色のパフェなどです。同行のAさんはチョコレートソースにチキンソテーをぶちこみ明治の板チョコを添えた「チョコレートチキン・モーレ・アモーレ」、Iさんは七色のクリームでデコレーションされた「カラフルポイズンCAKE(ケミカル)」、尊厳は暴力的に見た目がカワイイ「メルティ・パンケーキ(ピンクスウィーツハーツ)」を注文しました。この時点ではポイズンケーキ>チョコレートチキン>メルティ・パンケーキの順で危険な気配がしています。

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 こちらが尊厳の「メルティ・パンケーキ」です。タワー状に積まれたパンケーキにミルク色とピンク色の混じったどろどろしたソースがかかり、上にはチョココーティングされたストロベリーアイスクリーム、ハート形にカットされたイチゴが添えられています。

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ぱっと見はいちごミルクを思わせるおいしそうなパンケーキです。『下妻物語』の深田恭子が主食にしていそうな雰囲気もあります。少なくとも他の七色のケーキや七色のパスタなどよりは、安全そうな味がしそうです。しかし、これが爆弾だったのです。

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生地にナイフを入れると、下のほうからどっとスライスされたイチゴが湧き出してきます。それをどろどろしたクリーム状のソースに絡めると、ミルキーなぬめりがなんとも淫靡です。商品の(ここで出されるものは食事というよりもプロダクトと呼びたくなります)暴力すれすれのかわいさと相まって、非常にフェティッシュな様相を呈しています。

このカフェのメニューはどれも人工甘味料香料着色料のオンパレードのような雰囲気なので、これもちょっとくらいは変な味がしたほうがおもしろいんじゃないかな、と考えながら、どろどろにまみれたフォークを口に運びます。結論から言って、このパンケーキは期待を裏切りませんでした。むわっと鼻をつく人工的なにおい。若干の危険を予知しつつも口内に収めると、凶悪なまでのストロベリーフレイバー、人工甘味料に特有の苦みすら帯びたケミカルな甘味、それに舌に残る酸味。しかも白く濁ったソースはどうやらミルクではなくココナッツだったらしく、えもいえぬ漂白剤のような青臭さと、若干のえぐみが後を追って広がります。

とにかく口の中がケミカルフレイバーのひどい凌辱に遭っているような感じで、これはラテックスの肌の美少年型セクサロイドが出すザー〇ン(ストロベリー味)みたいな味だと考えると、かなり納得がいくと思います。

なんとか完食はしましたが、かなり厳しい戦いでした。何より、降ってきた「美少年型セクサロイドのザー〇ン(ストロベリー味)」というフレーズが執拗に頭の中を駆け巡るのがつらい。宗教上の理由から(嘘です)出された食事はできる限り残さずに食べることを義務づけられているので、美少年型セクサロイドのザー〇ン(ストロベリー味)も、パンケーキの一切れ一切れに丁寧にねっとり絡めていただきましたが、これも何かのプレイじみていて非常につらかったです。

ただ、美少年型セクサロイドのザー〇ン(ストロベリー味)を賞味してみたいという方には、かなり忠実に再現されたおすすめのメニューであると言えるので、一度遊びに行ってみるのも良いのではないでしょうか。

ちなみに、3人で注文したメニューの中では、七色のケーキが一番普通の味でした。